欧州初の長期金利上昇が米長期金利にも波及し
欧州初の長期金利上昇が米長期金利にも波及し、超金利がゼロに固定化されている円は独歩安の展開となった。
日銀政策が実質的に引き締め的、隠れたテーパリングとの見方から円高トライとなったが、本邦機関投資家の買いに阻まれたことや、本当に米金利上昇が始まったことで、雰囲気が変わってきた。
米金利上昇でドル円が上がるというのが、最もヘルシーな形。ここは、トレンドに逆らわず、素直に順張りに付いて行きたい。本日米GDPの発表があるが、GSは2.9%と予想しており、市場予想よりも良好な数字が出る可能性も低くはない。また、たとえ悪い数字でも、来週のFOMCでは、12月利上げを声明文中に言及する可能性もある。
ドル円上昇の可能性も高いが、もう一つ、ユーロ円上昇もかなりポテンシャルがありそう。独金利の上昇が何故起こっているのか、分からない部分もあるが、ECBの政策の変更を暗示しているのであれば、ユーロ円の上サイドは有望だ。
次はドイツ銀行か
次はドイツ銀行か
日銀、FOMCとイベントが終わり、為替マーケットは次の一手を探しあぐねている感があるが(思ったほど、円高に行かなかった)、欧州から火の手が上がりそうな雰囲気だ。
メルケル政権は他国の金融機関に対して非常に厳しい姿勢(株主、債券購入者、場合によっては預金者も負担を負うべき)とのスタンスである以上、自国の最大手銀行に対しても甘い顔をできない。
しかし、株価が急落する中、ドイツ銀行は自力で資本調達することは難しい。
多くの訴訟を抱え、世界最大のレバレッジがかかったドイツ銀行は、結局破綻処理されるしかないのかもしれない。
しかしながら、メルケル政権はドイツ銀行に対し、あまりにも冷淡ではないだろうか。
実際に潰れた時のシュミレーションをちゃんとしているのであろうか。少し不安になる。
ユーロドルは、ここ最近、異様なほどの安定を保っている。
本来、材料を並べれば売りなのだが、殆ど売られない。
リパトリエーションが入っているのだろう。
しかし、ドイツ銀が破綻したりした時、本当にどう動くかは、予見し難い。
大統領選もあわせて、ユーロ円のうりになるかもしれない。
「量」の減額を懸念する海外勢
「量」の減額を懸念する海外勢
FOMCが金利引き締めを見送り、ドットチャートが下方にシフトしたことから、世界的に金利が低下し、株価が上昇した。「9月は米国株下落、リスクオフ」と信じた向きが米国株ショートを膨らませたが、あっさりと退場させられている。
日本の10年金利がゼロ%に固定化されることになったため、金利裁定を考える人は米金利さえ見ていれば良いことになった。米10年は1.60%を割り込もうとしており(こちらも、金利上昇を狙ったポジションが積み上がり、損切りを迫られている)、素直にとれば、ドル円のウリ材料となる。
昨日来、ドル円は調整局面にあるが、102円台後半から落ちていることを考えると、多少のリバウンドは想定内。101円から上は売り場となるだろう。
ボラティリティが落ちており、大きな動きはだんだん期待できなくなってきた。ドル売りなのだろうが、利食いをしっかりと入れ、レンジトレーディングをしっかりとしたい。