FOMC議事録に注目だが

昨日の海外市場は、小動きながらも地味にユーロが下落する動きが続き、ユーロドルは1.0630前後まで下落した。ダウンサイドにバリアオプションが大量に存在し、加えて1.06前後には満期が近いオプションが2千8百本ほどあるようで、ここからの下攻めはさすがに厳しくなってきそうだ。

日経新聞にも「ユーロ、迫る急落の『引き金』」という記事が出ているが(経済部、浜美佐)、1.05を割り込んでくるとバリアオプションが多いから急落するのではないかという観測記事である。バリアオプションが大量にあるというのは事実ではあるが、急落するかといわれると、可能性はあるが、そうはならないだろう。このユーロの下げは、急落ではなく、比較的穏やかな下げになるのではないだろうか。

市場にユーロショートがそれなりに積み上がっていること、今回のユーロ売りの理由が、あまりにもわかりやすすぎることが理由である。みんな準備が整っているので、想定外のリスクではない。

それでは、そんなに準備ができているのであれば、だれが下を売るのかというと、米国は金融引き締めに向かい、欧州は金融緩和を続けるという構図が、簡単には変わらないというのが大きな理由だろう。つまり、ユーロショートを買い戻しても、次に作るポジションはやはりユーロショートになってしまう。そうこうしているうちに、下がっていくのではないだろうか。

FOMC議事録は、タカ派的な内容がほぼ予想されているので、万が一、12月利上げに関して疑問を呈するようなことや、利上げペースがかなりゆっくりという指摘があれば、マーケットはドル売り材料ととってしまうだろう。ただ、そうなっても戻りはユーロ売り、ドル買いだろう。 テクニカル的には1.0670-1.0700あたりが売り場か。