予想以上にタカ派的だったFOMC声明

本日早朝に発表されたFOMC声明文は予想以上にタカ派的だったが、これをどう解釈すれば良いだろうか。前回、海外経済に配慮したことがあまりにも評判が悪かったのだろう。アメリカはNo.1の国であり、他国経済の動向に振り回されてはならないのだ。その決意表明に近いものなのだろう。

微妙に妥協しながらも、来月という言葉を出した意味は大きい。これで来月利上げしないような「腑抜け」にはならないだろう。

実際問題、米利上げで米経済には何の問題もないだろう。むしろ、中国や新興国経済はよりダメージを負う。米金利が上がってくれば、中国からの資金流出に拍車がかかるだろう。米国は対中政策を漸く変更した。中国経済が多少おかしくなって、それが米国に波及したとしても、それよりももっと大事なものがある。世界は、経済から政治の時代に入っていった感がある。

このFRBの行動で安堵しているのは日銀だろう。これで、仮に政策変更なしでも、ドル円が急落する事態は避けられた。鉱工業生産も、3ヶ月連続マイナスではなかった。まだ、サプライズ緩和はあるが、何もしないという選択肢の確率は高まった。

ECBが緩和し、新興国が緩和し、FRBは引き締めに向かう。非常にわかりやすい構図になってきた。この流れに乗らない手はないだろう。ポイントポイントでショートカバーもきつくなるだろうが、もうユーロドルは戻り売り、新興国通貨も戻り売りということになるだろう。わかりやすい流れに乗るべきだ。そして、ドル円だが、クロス円の売りに多少押されることになるのではないだろうか。だが、米利上げが控えている以上、急落も無くなったかもしれない。