進むユーロ売り

昨日来、ユーロ下落が加速している。この背景がはっきりしないのだが、銀行トレーダー等に尋ねると、ムーディーズがフランスを格下げしたこと、ECBがさらなる緩和を進めること、FRB理事達がタカ派的なコメントを繰り返すので、市場全体がリスクオン=ユーロ売り、となったこと等を理由として示してくる。

その中で唯一説得力があるのが、ECBによる追加緩和だが、先日ゴールドマン・サックスのロビン・ブルックスはECBが月600億ユーロの資産購入プログラムを、当初想定していた2016年9月末ではなく、同年末まで継続し、購入を完全に終了するのは17年半ばごろになるのではないかと予想、これは当初より相当大きな購入額拡大なので、ユーロはドルに対し6-10セント下落するのでは発表している。

投資銀行の予想で大きく相場が動くことはないはずだが、FOMCも終わり材料難となった市場が、このストーリーに飛びついたのであろうか。

FOMCが終わったので、次は欧州、もしくは日銀の追加緩和に焦点が移ると考えているアナリストはたしかにいるが、影響があるとすれば先手を打つのが上手いドラギ総裁率いるECBとなるだろう。

日銀追加緩和は既に相当大きな緩和政策を進めているため、これ以上どうやって緩和して良いのか難しい段階に来ているとかんがえられる。実際に追加緩和を発表しても、投機筋がついて行ける内容なのか、瞬間効果があったとしても、すぐに「織り込み済み」とレッテルを貼られてしまうことはないだろうか、様々な懸念がある。

市場は、ユーロをリード役にリスクオフ的動きとなっている。ドル円も落ちてきた。さらなるクロス園下落に期待したい。