国民投票超えのポジションは危険

国民投票超えのポジションは危険


マーケットは、英国民投票の結果が「残留」で決まりとみなしているようだが、世論調査の結果は依然として拮抗しており、ほぼ半々。マーケットの根拠はブックメーカーが、75%もの高率で「残留」と賭けているからだ。しかし、甘く見すぎてはいないだろうか。

本日、デイリー・メイル紙も「離脱」支持を打ち出した。先日のSun紙に続いてだが、タブロイド系は「離脱」支持に傾いている。ジョーコックス議員の悲劇的死も、時間が経過するとインパクトは次第に薄れていく。

世界を正しく理解しているエリートは「残留」支持であり、理解力に欠ける一般大衆は無知ゆえに「離脱」を支持するとみなされている。だが、そうした切り捨ては危険ではないか。エリート対一般大衆という構図が世界中ではっきりしてきた。サンダース氏がなぜこれほどまで健闘しているのかもよく分かる。社会主義革命前夜と似てきた。持つ者と持たざる者の対立だ。

国民投票なのか、米大統領選なのか、それとも別の機会なのかわからないが、いつの日か、エリート層が唖然とする中、労働者階級が勝利する瞬間が来そうだ。その結果、世界は大混乱する。しかし、大衆が望んでいるのは生活水準の上昇と言うよりは、理不尽なこの世の中への犯行なのである。意外に近いタイミングで、そのタイミングはやってきそうだ。

いかに、「残留」が勝ちそうに見えても、国民投票超えでポジションを持つのは、極めて危険だ。