力尽きつつある、ドル円の反騰

政府筋からの介入をほのめかす牽制もあり、ドル円は勢い良く114.87円前後まで反騰したが、次第に力尽きつつあるようだ。 年金筋からの買いも見えたが、所詮はリバランスのみなので、大きな金額になることはない。撃つぞ撃つぞと口だけ言ってても、何度も大量の金額で介入をできるはずもなく、市場にみすかされつつある。

仮にここで大量介入したらどうなるか? 瞬間的に5円、すなわち117円台には乗せられるかもしれない。しかし、そのレベルを維持することはできない。輸出、機関投資家ヘッジファンド、ありとあらゆる筋から大量の売りが出るだろう。GPIFだってヘッジ売りを出すかもしれない。

GPIFは昨年11月時点で135兆円の資産規模と発表されている。その50%は外貨資産なので、67.5兆円を持つことになる。3割でもヘッジするなら、20兆円規模のドル円売となる。10兆円の介入で持ち上げても、GPIFがヘッジをかけた時点でその何倍ものドル円売りとなる。

もちろん、GPIFがヘッジ売りはしないだろうが、ここまで国会等で議論になっていると、担当者も「為替ヘッジしました」と国会で証言できる証拠を作りたいと思うかもしれない。

要は、仮に介入しても、その数倍の売りがやってくるだけだ。日銀緩和の時に5円上って10円落ちたが、同様の上げ下げをするだけだろう。そして次は、下げが10円ではとまらないかもしれない。