ドルの売り場探しとなる米雇用統計

この数日、米国関連の経済指標が悪化し、ドルは対主要通貨で全面安となっていた。グローバルな市場動乱が3月利上げを遠のかせていたが、このまま米経済指標が悪化を続ければ、米金融引き締め論戦も早晩頓挫するかもしれない。

雇用は「遅行指標」であり、雇用の数字は一番最後に変化する。そのため、その他の米経済指標が悪化したからといって、今回の雇用統計の数字が悪いとは、必ずしも言い切れない。ただ、ドルは非常に重くなってきており、良い数字でドルが上がったところは、売りのチャンスと見ている人が多そうだ。一方、悪い数字だと、そのまま下がってしまうだろう。

マーケットは目先の雇用の数字に一喜一憂する時代ではなく、もっと遠くにぼんやりと見えるグローバルリセッションを意識して動いている。その意味では、本日の数字はあまり重要視されないだろう。個人的には、戻ればドル売り、悪ければすぐドル売り、結局ドル売りだろうから、ドルショートを持ったまま数字を迎えるつもり。