せこいことをして失敗してしまった黒田総裁

日銀は本日、新たな補完的措置としてJGB買い入れ平均残存期限の延長(デュレーション延長)、そして新たに3000億円ETF買い入れ枠を設定した。しかし、ETFの買い入れ枠はリーマン・ショック時に日銀が銀行から買い入れた株式売却と同時に行うので、ネットで買い入れ枠が増えたわけではない模様。また、デュレーション延長もインパクトに欠け、まったくもって何のための制作発表なのか、市場を失望させてしまった。

黒田総裁は「戦力の逐次投入はしない」と言っていたが、今回の政策変更は逐次投入以下であり、しかも誰も政策変更を予想してなかったからやってみたのであろう。そのやり方が、またせこい。バズーカだけを打つと思っていた市場はがっかりであり、黒田総裁もイメージをかなり落としてしまった。今回の新たな政策変更は6対3と反対が何時もより一人増えており、今後、日銀内における黒田総裁のリーダーシップも疑問視されよう。

米利上げのインパクトもなくなってきており、ドル円は戻り売り相場の時が来た。121円後半からは売り上がってみたい。