ECB待ち

一部英系投資銀行(バークレイズ)が本日のECB理事会において、ドラギ総裁がさらなる金融緩和を示唆するのではないかと予想している。


理由としては、このところユーロドルが安値から反発していること、原油価格が下落し、中国経済が減速しているためインフレ見通しが低下していることが挙げられている。量的緩和政策に踏み切ったのが今年の1月26日なので、約8ヶ月でその効果が切れたことになる。


先日のジャクソンホールでも議論になったが、金融政策には限界がある。中央銀行がお金を刷ればインフレになるわけではないということが明らかになりつつある。


それはともかくとして、本日ドラギ総裁が会見でさらなる金融緩和(例えば来年9月を過ぎても政策をやめない等)を示唆した場合、予想外であり、ユーロドルは瞬間下落するだろう。

しかしながら、先月の人民元切り下げ以降、世の中が変わったかもしれない。中国の景気減速が想定以上であり、中国での投資を回収したい、アジアでの投資を回収したい、また株やその他の投資も回収したいという「利食い」「リパトリエーション」の時期に入ってきたのかもしれない。元本の回収が一番大事なことなので、そこに金利は関係ない。とにかく、お金を自国に、自分の財布の中にいれることが最優先のマーケットとなってしまったもしれない。


そうであるならば、そこでの最強通貨は「円」でり、「ユーロ」だろう。時代は金利差では説明できない季節に入った可能性がある。