中国、人民元を切り下げ

中国人民銀行は、本日対ドルでの人民元基準値の計算方法変更を発表し、人民元は2%下

落、海外オフショア市場では下落はさらに続き、現在6.3820と前日の6.20前後から考える

と3%近い下落となっている。

発表直後に豪ドルは130ポイント前後下落し0.7307まで、ユーロドルも1.0964と70ポイン

ト下落、ドル円も瞬間125円台に乗せた。

これは、ついに中国が人民元高が経済不振の要因と認めたことになり、人民元高の歴史に

終止符をうつことになります。円やユーロといった主要通貨への影響は限定的でしょうが

、アジア通貨はこのところ下落トレンドとなっており、マレーシアリンギットやインドネ

シアルピア、韓国ウォンといった通貨への影響は大きいでしょう。

状況はますます1998年に似てきてます。円安が加速し、それがアジア通貨危機をもたらし

ました。当時と比べて、アジア諸国のファンダメンタルズは格段に上がってますし、外貨

準備も段違いに増えてます。しかし、円安が地域経済を不安定にする構図は変わってない

ということです。

おそらく、明日はそれほど人民元安は加速しないでしょうが、中国当局がどの程度まで

人民元安を誘導しようとしているのか、それを見極める必要があります。

円に対する影響には微妙なものがあります。人民元も通貨安戦争に参戦してきたわけです

から、ドル円にも相対的な上昇圧力がかかってきます。本田悦郎、内閣官房参与が先ほど

「現状の円レートに強い不快感はない」と発言してますが、発言内容が微妙に変化してい

ます。今春、本田氏は日銀の追加緩和をけん制しましたが、今はそうではありません。

125-130円レンジへのシフトが近づいているようです。